電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①
「何とかして奪い返さないと…。」



[私にはまだ気付かなかった。私の身の回りに起ころうとしている事件に。でも、それを話す機会はまだずっと先の事になりそう。]



「美希?どうしたの?急に元気がなくなったね。」
智美ちゃんが言った。
「あっ、ううん。大丈夫だよ。元気だから。もうさ、帰らないとだね。」
私は言った。
「あっ。そうだね。早く帰らないとお母さんに叱られる!!」
智美ちゃんが言った。
「急ごう!!私もお母さんに怒られちゃうかも!?」
私は言った。



「ただいま。」
私は息が切れていた。急いで走ってきたから、余計暑かった。そう。智美ちゃんにはあえて言わなかった。今日は春なのに暑かった。蒸し暑いとはまだいかないけど。
< 67 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop