電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①
「実はお父さんからバーチャルフォンを買ってもらったの。しかも高い最新型に。」
私は言った。多分言ってはいけなかったかもしれない話題を私は言ってしまった。智美ちゃんも突然の発言に戸惑っている。
「……………えーーー!!!!ちょっとすごいな。みんなが欲しがる最新型!美希に先を越されたか。」
「えっ?怒らないの?」
「何で?私が?」
「だって昨日、私にバーチャルフォンを安く買えるからって………。」
「その話なんだけど、実はお祖母ちゃんが壊したの。朝早く届いたばかりのヤツを。」
「え!?」



―――――
「お。届いた、届いた。」
「美希に買ってもらうバーチャルフォン届いた?」
「届いたよ。」
「おばあちゃん朝ごはんですよ。」
智美ちゃんのお母さんが呼ぶ。
「はいよ。」
お祖母ちゃんが棚にあげようとしたが、腰が痛くなり届かない。近くの不安定な場所に置いて、台所へと向かう。
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