あんたが、ええねん!!
「なぁ、なんでよりにもよって池倉なん?!」
灼熱の太陽の下でなつきは迫ってくる。
「うん?」
「あんな奴のどこがええねん!!」
こんな必死こいてるなつきは初めて見た。
「え、……全部。」
なんだか、口にしたら恥ずかしくて、ニヤニヤしてしまう。
「ハァ!?」
一方、なつきは信じらんない。という顔でこっちを見ている。
「なんかさ、あの、惜しい顔?
これがこうならかっこいいのに!
って感じの顔が堪らない、というか、
つーか、一目惚れだった気がするんだよね。
あー、あと細い腰?ひょろながい感じも好きやわ!
あーあー!会いたいわ!!」
ポカンと開いた口が塞がらないなつき。
目だって点だ。
「笑った顔とか、ほんま反則や…。」
ベンチに足を上げて三角座りで膝をぎゅーっと抱きしめる。
「…うん、好きやわ。憧れかもしれんけど。」
顔がなんだか熱くなる気がした。