夜の世界
酔っ払ってもう眠っているようだったけど、希さんに寄り添っていた。


酔うと本音が出てしまったりするけど、彼は酔っていても


絵里が好きといつも言っていた。


でもこればかりは見過ごせなかった。


希さんの側にいるのがきっと彼にとって自然なことなのだろう。


安心しきった顔をしてその場にいる翔を店の中にいた私を含む翔のお客が


切なそうに、あるいは腹立たしくその光景を見ていた。


彼を想っているからこそ、分かってしまう。
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