駆け抜けた少女【完】

部屋から追い出された矢央は、ふてくされたまま沖田達の部屋に戻る。


バンッと、勢いよく襖を開けて閉めると、ズカズカと窓際まで行くとトスっと座り、盛大な溜め息をついた。


その様子を見た沖田は、矢央の隣に腰を下ろすと尋ねる。



「どうしたのです?」

「芹沢さんに何処かに連れて行ってって言ったら、平山さんに追い返されたの」


ブスッとして機嫌が悪い訳がわかると、沖田はクスッと笑いを浮かべる。


「さすがのお気に入りでも、ふられたわけですねぇ」

「……ふん!」


また、さらにふてくされた矢央だった。



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