駆け抜けた少女【完】
第二話*新たな出会い
「うんうん! よぉ、似合うちょるきに!」
「はあ―…、あのぉ、おじ…」
「ねぇちゃんっ! おまんも、これで良かじゃろ!」
「え?」
変な男は、少女に問う。
「おまんは、この紐をこの女子に貰うてほしかったじゃろ?」
ニッと男が笑うと、少女は嬉しそうにコクンと頷くと戸惑う矢央の手を握った。
「ふへ!?」
「とても似合ってるよ! 大切にしてあげてなぁ?」
「えーっと……」
男を見上げると、何故か涙目になってコクコク頷いている。
はあ―…変な事になっちゃったよ……。
内心溜め息を吐きつつも、クスッと息を漏らし
「ありがと! 大切にするね」
と、少女と別れた。
までは、良かった。
―――――――が、
「はぐれてるじゃないかぁぁぁぁ!!」
矢央は、頭を抱え叫んでいた。
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