駆け抜けた少女【完】
「総司、目が覚めたのか」
「あっ、土方さん…そのぉ…」
騒がしい気配を感じやって来た土方に沖田は少女の目が覚めた事は覚めたと目配せするが、
「どうした?」
土方も少女がうずくまっている様子を見て膝をついた。
「頭が痛むらしくて……」
「大丈夫…です。 もう、落ち着きましたから……」
「本当に大丈夫ですか?無理をしているなら、まだ少し寝……」
「お前に尋ねたい事がある。局長室に来てもらおうか」
ーーーもう、土方さんは強引だな。
沖田の密かなため息は届かない。
少女はコクンと頷くと、沖田に支えられて立ち上がり土方の後に続いた。