駆け抜けた少女【完】

「仲良く出来ないもんなんですかねぇ」


ボソッと呟いた矢央は、自分に集まる視線におののいた。


「無理があるでしょ」

「無理だね」

「無理だ」

「違いねぇ」

「天と地が、ひっくり返っても有り得ないね」



全員一致で、近藤一派と芹沢一派の和解は難しいと宣言され、矢央は、やれやれと肩を落とした。


そして、芹沢の機嫌が直らないまま一週間はあっという間に過ぎていった。




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