駆け抜けた少女【完】
浪士組のために行われた行事も、そろそろ終わりを迎えようとしていた。
矢央は初めて生で見る相撲にキャッキャッと楽しむが、やはり芹沢は相変わらずぶっちょ面のままだ。
うーん、芹沢さんは細かいとこにこだわりすぎなんだよねぇ。
何かいい方法がないか考えていた矢央の視界に、何故か力士と相撲を取っている原田の姿が見えた。
褌一丁になり、逞しい筋肉を披露する原田に「いいぞー!」なんて言う掛け声が重なる。
まるで、宴会だ。
「左之〜、負けんなよっ!」
「おうよ! 原田左之助様は負け知らずだっ!」
本物の力士相手に、腕力だけで挑もうとする原田。
その姿を見ながら、矢央はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
「フフフ。 面白い事、考えたぁ!」
そんな矢央の隣では、沖田が首を傾げていた。
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