駆け抜けた少女【完】








「つまりですね、多分ですが…私未来からこの時代にやって来ちゃったみたいです」



冷静さを取り戻した少女は簡潔に説明を終えたつもりでいた。
だが、そんな非現実的な説明では誰が納得できる。


男達の頭には(?)が浮かび上がっているのが、漫画のように見えるようだと少女は思った。


この説明だけでは納得しないか、では何と言えば理解できるのか。


ーーー私だって信じられないんだけどね。




元々深い考えはせずお気楽で天真爛漫な性格の少女だから、この事態も深く考えていなかった。


考えたところで、きっと納得の行く答えなんて出ないのだから………。



「つまりは、えっと……」



まだ名前を名乗っていなかったと、困った顔をする上座に座る男の反応で思い出した。


「私の名前は、間島矢央と申します。 えっとぉ、多分…近藤勇さん…ですよね?」

「…驚いた。 私が誰かわかるのかね?」




どうやら合っていたと、安心する矢央。




< 24 / 592 >

この作品をシェア

pagetop