駆け抜けた少女【完】
「…くっ、沖田め! これは誰の差しがねだっ」
「…誰でも。 さあ、どうします? 武士として散るか、恥をさらすのか」
クスッと小さく口角を上げた沖田を新見は怖いと感じた。
この者は、人を斬るのに躊躇いはない瞳をしていると。
―――キラレテシマウ……
この場で逃げようものなら、本当にバッサリとやられてしまうだろう。
新見の喉仏がゴクリと揺れた。
「わかった」
新見は、覚悟を決めた。
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