駆け抜けた少女【完】
文久三年、九月十三日
壬生浪士組副長
新見錦、没。
これにより、芹沢は片腕を失った。
「どうしてでしようね。
私はいつからか、死が恐ろしくなくなってしまいました」
新見の亡骸を見下ろしながら、誰に言うわけでもなく沖田は静かにそう口にした。
誰かのために生きたいと願う想いが無き今、自分はただ人を斬るためだけに生きている。
「お華………」
―――君は、この汚れた手を握りしめてくれるだろうか。
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