駆け抜けた少女【完】
終わった。
芹沢はお梅を抱きしめ息絶えた。
「ようやく終わったか……」
静かになった部屋には、沖田と土方しかいない。
「総司」
「何が何だかわからなくなりますね、土方さん。
私は……何を見ていればいいのですか」
俯いたまま顔を起こさない沖田の肩を土方はポンっと叩いた。
「お前は、近藤さんに着いていけば、それでいい」
「……そうですね」
「行くぞ。 長居は無用だ」
八木低を後にする二人。
これで本当に終わった。
文久三年、九月十六日
大雨降り注ぐ嵐の深夜
壬生浪士組筆頭局長
芹沢鴨、暗殺。
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