駆け抜けた少女【完】

会議は夜遅くまで開かれた。


行灯の火を消してしまった室内で、矢央は一人膝を抱えて皆の帰りを待つ。


こうした時、矢央はやはり部外者扱いをされる。


どんな話し合いが行われ、どんな結果になるのかなんて教えてもらえないのだ。


一人じゃない。 そう思っても、やはり一人なんだと思い知らされるのだ。


「はあ……」


この部屋は、こんなに広かったっけ(?)とぐるんと部屋を見回した。


芹沢一派がいなくなった後、近藤一派幹部達は前川邸から八木邸へと移り住んだ。


その際、女子というのもあり一人部屋とも考えられたが、新たな隊士も増え手狭なのには変わりなかった、だから矢央は今まで通り幹部数名と同室のままだ。


それはいいのだ。 一人でいると、何かと不安になるから誰かの側にいたいというのが矢央の想い。


しかし、こういった時には一人だった方が良かったと思ってしまう。


それは寂しさからか、それとも――………。


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