駆け抜けた少女【完】


永倉はそれ以上は何も言わなかった。というより言わない方がいいと判断して止めた。


それは矢央の目が恐怖に染まるのが見えたからだ。



俯く矢央の髪を優しく撫でた後、永倉は静かにその場を去ったが、矢央は暫くその場を動こうとはしなかった。



< 51 / 592 >

この作品をシェア

pagetop