駆け抜けた少女【完】
第二話*眠る少女
――文久三年、春。
『ずっと、一緒にいようね』
――――ガバッ!!
「…ハァ…ハァ…夢……」
「……どうした、総司。 珍しく寝汗なんかかいてんじゃねぇか」
京の春、沖田総司は庭先に咲く桜の木を見つめる。
「……土方さん、また春が来たんですね」
「ん? ああ……そうだな」
儚げな眼差しで風に舞う花弁を見つめる沖田と同じように、土方歳三もまたはらはらと散る花弁を見つめた。
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第二話*眠る少女