だから、君に
さすがに年に一回しか駆り出されないだけあって、ぼわっとそこら中に埃が立ち込めた。
「うわっ勘弁してくれよ……きったねぇ」
思わず顔をしかめる。麻生は平気な顔で、素手でバンバンと叩きながら埃を払った。
「一週間ここに干しておきましょう」
「はっ?生物室のベランダに?」
「はい」
「……あのさぁ、」
埃の体内への侵入を避けようと、僕は鼻をつまみながら言った。
「文化祭って学校行事の目玉でしょう。特に今年は、麻生にとって最後の年だ。こんなやっつけ仕事じゃなくて、もっと積極的に関わったほうがいいんじゃない」