阪本君と田中君
田中は千円を阪本に渡した。
「見とけよ、田中」
「うん」
「こうするんだ」
阪本は千円を投入口に入れるとメダルが50枚出てきた。
「すげーよ、阪本君。メダルがたくさんあるよ。」
「まぁな、おい田中、もう一枚千円よこせ」
「うん、阪本君」
「見とけよ」
「うん」
「ほらみろ」
阪本はまたもや千円を投入口に入れた。すると50枚のメダルが出てきた。
「おお、グレイト、すごいよ、阪本君」
「まぁな、まだまだいくぜ。さあ、どんどん俺に千円を渡すんだ」
「うん、阪本君」
それを24回繰り返した。しかし25回目に悲劇がおこった。
「おい、田中。どんどんもってこんかい。」
「・・・・・阪本君、もうお金がないよ」
「な、お金がないだと、そうか仕方がない、じゃあ帰れ」
「うん、ってあれ、なんかおかしくね」
田中は少し疑問に思っていた
「おかしくねぇよ。ばかやろう、金がねぇーんじゃ、パチンコできないだろう。ただで、コンビニでアイスが買えるか、スーパーでアイスが買えるか、ええ買えないだろ。分かったら帰れあとは俺に任せとけって」
阪本は有頂天になっていた。
「それじゃあ、阪本君、お金返してよ」
「ばかか、俺はお金もってねぇよ、120円しか」
「じゃあ、そのコインこっちによこせよ。それ僕のお金で出てきたんだから」
田中は正論をいったが。阪本は返すそぶりを見せなかった。
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