運命
私は、お父さんに一言、言ってやろうと思い部屋に向かった。すると誰かと電話しているようだった。


『‥‥だからな。遅れるなよ!!』

聞き取れたのは、これだけだった。誰と話していたんだろう?そう思っていたけど、さっきの態度に怒っていたので電話が終わったと同時に部屋に入った。


『お父さん!!』

するとお父さんは驚いた顔で私を見てきた。


『今の話聴いてたのか?』


『今の?遅れるなよ!!って言う怒鳴り声しか聞こえなかったよ。それより、さっきのお父さんの態度は何?仕方ないじゃない仕事だったんだから‥
それにあの質問。お父さんはどんな回答を望んでいたの?』


『それは、もちろん愛を選ぶって事をだよ。』


『じゃあ、聡の答えに不満だって事?』


『もうその話はいいだろう。これ以上話す事はない!!』


『な!!‥分かりました。』

そう言って、部屋を飛び出した。



『あなたが怒ったってしょうがないでしょう』

お母さんが呆れた顔で見てきた。


『だって‥』


『だってじゃありません。もっと冷静になりなさい。もう大人なんだから』


『‥はぁ〜い』


『もう。お父さんも愛も頑固なんだから』

お母さんはブツブツ言いながら台所に戻っていった。



聡に謝ろう‥そう思って部屋に戻った。
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