運命
『先輩、今日のお昼一緒に食べてもいいですか?』


『どうしたの?あっ!!もしかして何か進展あったとか?』

私は思わず笑みがこぼれた。


『梅沢の表情見れば分かる(笑)いいよ。この間の食堂にしよっか』


『はいっ!!』

私たちは、前に2人で行った食堂に向かった。


今日も店内はスーツを来たサラリーマンでいっぱいだった。
みんな時間を気にしながら食べているのが目に付く。



『おじちゃん、私‥海鮮丼ね。梅沢は?』


『じゃあ、私も前回と同じで日替わり定食をお願いします。』

私は、机の上に広げられたメニューを閉じて端に避けた。すると、おじちゃんが‥


『今日は何かいいことでもあったのかな?』

って急に聞いてきた。


『何でそう思うんですか?』

私は、すかさず聞き返した。


『だって、前回来てくれたときは結構辛気臭い表情してたのが印象的でね。2人のことはよく覚えてたからさ。』


『すみませんね‥梅沢がそんな雰囲気つくってて』


『いいえ。今日は穏やかな表情なんで安心しましたよ。‥少々お待ちくださいね』

おじちゃんは笑顔で厨房の方に戻っていった。


『見てる人は見てるんだな‥』


『そうですね‥』

私たちは同時に水を飲んだ。



『それで?あれからどうなったの?』

先輩が聞いてきた。


『それがですね‥』

私は、ここ数日あったことを大まかに説明した。先輩は私の話に対して「ふむ」とか、「へぇ~」とかそのくらいしか返事をしなかった。


数分後‥
ようやく私の一方的な話が終了した。
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