運命
『これより、第一回、意見交換会を始めたいと思います。皆さん席に着いて下さい。』


私に話し掛けて来た男の人がマイク越しに話し始めた。


『始めに私から時計回りに自己紹介をして頂きます。

まずは、私から。

今回の総合司会をやることになりました。山本浩次と申します。不慣れな司会ではあると思いますが、会議を円滑に行ないたいと思います。
よろしくお願いします。』



パチパチパチ‥

皆で拍手をした。


『次に、今回唯一の女性であり、書記を担当します「梅沢さんです」』


そう皆の前で紹介された後、耳元で‥

「簡単でいいので自己紹介お願いします。」


と、言われた。



あなたがもう書記をやることや名前を言ってしまったら、私が言うことなんてありません!!って、思っていても口には出せず‥簡単な自己紹介をしてこの場を凌いだ。






『えっと、今回参加していただくのは15名の予定なんですが‥1人遅れているみたいでして。連絡等ありませんので、このまま14名で始めたいと思います。
皆さん、くれぐれも連絡は必ずするようにしてくださいね!!』



なんか、山本さんって怖いな。

遅刻している彼‥可愛そうに。緊急な用事が出来たかもしれないのに、確認もしないでこんなこと言うなんて‥

本人を目の前にしたら思ったことを言えないタイプかも。



裏表がありそうな、そんな印象を受けた。
< 13 / 205 >

この作品をシェア

pagetop