運命
『あっ、うん。』

私は、少し間をとって話した。


『この間さ、住所変わったら教えてって言ってたじゃん。だからこれ‥』

そう言ってメモ用紙に書いた、アパートの住所の紙を渡した。


『ってことは??』


『うん。無事にお父さんの許可が下りて同棲しています?』


『何で最後が疑問系なの?同棲してるんでしょ?』


『‥はい(笑)』


すると桃花は私の両手を掴んで「おめでとう、おめでとう」って何度も言って喜んでくれた。


『でも、頑固なお父さんをどうやって説得したの?』


『それがね‥私にも分からないんだよ』


『じゃあ、彼氏さんが?』


『うん。私の知らない間に話がまとまってて‥意外と仲良しかも?』


『それはそれで、よかったじゃん。結婚も順調にいきそうだね。私もスピーチの準備しなきゃ間に合わないかな(笑)』


『‥‥‥』

私は何も言えなかった。


『愛どうしたの?何かあった?』


『‥‥‥』


『愛!!一人で抱え込むのよくないよ。話ならいくらでも聞いてあげるから』


会社の先輩といい大学からの親友である桃花といい、凄く大切な人と巡り逢えたなと心から思った。

だから‥
だから、これ以上心配かけないように自己解決しようと思っていたのに‥余計心配をかけていた。


私は、頭の中で整理をしてから今日のお昼に先輩と話したことを伝えた。
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