運命
『会社の先輩がそんな事をね‥‥。でも、それは愛の事を心配してるからだよね?その気持ちは分かるよね?』


『うん。でもね、聡とは結婚したい!!聡以外の人とは‥』

言葉が詰まってしまった。


『愛。そこまで本気になれる人ってそんなにいないと思う。愛の今の気持ちを大切にして欲しい。愛には幸せになって欲しいんだ。私でよければ協力するし、相談にものるよ。』


『ありがとう。私だって桃花の幸せを祈ってるよ。何かあったらいつでも飛んでいくから。そうだな‥‥良い子の見方「ワンダーウーマン」みたいに(笑)』


『ワンダーウーマンかぁ。良く分からないけど、なんか強そうな名前だね』


『うん、私は強い(笑)』

私たちの空間だけ、数年前に戻ったみたいだった。
大学の食堂でふざけ合ってた頃のようだ‥。




『そういえばさ、桃花はどうなの?』


『私?』


『うん。前も私の話を聞いてもらっただけだったじゃん?‥私が知ってるのは、年上の人と付き合ってた事しか聞いてないけど??』


『そうだっけ?まっ、おいおい話すよ。今日で逢うの最後って訳じゃないじゃん?』


『そうだけど‥』


『結婚式とかの打ち合わせもあるし、これからは沢山逢えそうだね(笑)』


『そうだね』

私は微笑んだ。でも‥


あれ?話そらされたような‥??

この時の私は、自分の事で手一杯で桃花の悩みを聞いてあげることができなかった。


(ごめんね、桃花‥‥)

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