運命
『で、今日は桃花ちゃんとゆっくり話ができたの?』


『うん!!楽しかったよ。大学時代を思い出しちゃった。
そうそう、桃花がね、私たちの結婚式の時スピーチやってくれるって。』


『本当か?よかったな愛。俺も友人代表のスピーチ考えないと‥』


『いいじゃん、バンドメンバーの誰かで』


『そっか。って、こんな大役を任せられるやつって‥』


『『いない‥(笑)』』

こんな些細な会話が凄く楽しいって思う。電話じゃなくて、相手の顔を見ながら話せるってこんなに幸せなんだね。



『愛、自分の事ばっかじゃなくて、桃花ちゃんの話も聞いてあげたのか?』


『ん〜‥』

私は曖昧な返事を返した。


『どした?』


『桃花がね、私には幸せになって欲しいって‥』


『そりゃ親友には幸せになって欲しいって普通思うよな?愛は、何が気になってるんだ?』


『なんとなくなんだけどね‥感情がこもりすぎてたんだよね。私は、幸せになれないから、愛には幸せになって欲しい。みたいな感じ?ほんと、なんとなくそう感じただけなんだけど‥』


『愛がそう思うなら、そうなのかもよ?誰にも言えなくて一人で抱えてるのかもな。』


『私から聞いた方がいいのかな?』


『イヤ‥こういう時は、話してくれるのを待つしかないと思う。今度話すとか言ってなかったか?』


『あっ!!言ってた。』


『だろ?人には立ち入って欲しくない事だってあるんだよ。聞いて欲しくなったら桃花ちゃんから言ってくれるって。親友だったんだからさ。』


『そう‥だよね!!話してくれるまで待ってみる。』


『よし、いい子だ。』


『えへへへ。』



その後、私たちはお風呂に入ってテレビを見て‥1時には就寝した。


久しぶりに再会した事で、私と桃花の距離がグッと近づいた。でも‥ある事件をきっかけに、私と聡の距離が離れ始めた。
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