運命
午後の仕事をしている最中に携帯がブルブルいっていた。でも、短かったので電話ではなくメールだと思い、気にしないで仕事に戻った。


5時になり携帯をチェックしてみると「着信1件」の表示。

『誰からだろう?』


そう思い、携帯の着信履歴をみると「3時20分。聡」となっていた。
私は非常口から外に出て、すぐにかけなおした。


プルルー

プルルー


何回呼び出しても聡は出なかった。

何かあったんだと思い、荷物をまとめて駅に向かって走り出そうとした時‥聡から電話がかかってきた。


『愛?』


『聡?聡なの?ねっ、大丈夫なの?私てっきり‥』

『愛、ちょっと落ち着いて!!話ちゃんと聞くから、ゆくり深呼吸してから話して』

私は言われるまま、ゆっくり深呼吸してから話した。


『ごめんなさい。私、混乱しちゃって‥。聡からの電話でれなくて、私から折り返し電話しても出ないから‥聡の身になにか起こったんじゃないかって思っちゃって‥』


『それで?』


『今、駅に向かって歩き始めたところ‥』


『何だそれ(笑)向かってたのか?』


『だって~心配だったんだよ!!さっきだって非常口で電話したし‥』


『愛、面白い(笑)』

聡は大笑いしていた。


『笑い事じゃないよ!本当に心配したんだからね!!それで、何で電話してきたの?』

ようやく本題に入れた。


『あ~今日、帰り遅くなるって事を伝えようと思って。』


『えっ!!だって今日、早番だよね?』


『急に忙しくなって‥でも、愛の声聞けたから元気出た!!昨日くらいになるかもしえないから先に夕飯食べてていいよ』

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