運命
私達の距離が縮まることもなく、クリスマスイヴ迎えた。
今日は、雪が降っているから「ホワイトクリスマスイヴ」だ。

街を歩いていると朝だというのにイルミネーションが綺麗だった。
私は、煙突がある店の前で足を止めた。ここなら本当にサンタクロースが来てくれるんじゃないかとぼんやり考えていた。


『私の元には来てくれないか‥サンタさん。確か良い子の元にしか来ないんだっけ‥』

今の私は‥


一人で長い煙突を見ていた。すると、


『ワンダーウーマン!!』

後ろから聞き覚えのある声がした。私はその場で半回転して後ろを振り返った。


『桃花!!』


『やっぱり愛だ。後姿で分かったよ。』


『な、何で?』


『煙突を見ている姿が「サンタって大きいのにあんな細いところに入れるのかな」って感じだったから(笑)』


惜しい!!
つい、突っ込みたくなった。



『残念でした。そんな子どもみたいなこと考えてないよ』


『本当?』


『えっと‥ちょっとだけ?』


『ほら、やっぱり子どもだよ(笑)』


『そ、そんなことないもん』


私たちは、いつも以上にはしゃいでいた。笑っている間は何も考えなくて済むから‥
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