運命
『お母さん、掃除機どこ?』


『愛?今から部屋の掃除するつもりなの?』


『だって‥仕事忙しくて休み今日からなんだよ?』


『だからって。もっと早く済ませるものでしょうが!!』


『じゃあ、お母さんがやってくれればよかったのに‥』


『お母さんのせいにしないの。はい、掃除機』


『‥は~い。』

私は急いで部屋の掃除をした。
でも、毎日お母さんがしてくれているので、ホコリはなかった。



『そうだ!!年賀メール送らなきゃいけないから、携帯充電しとかないと‥』

私はバッグから携帯を取り出した。
ふと、今までのメールを読み返したくなったのでベッドに座って携帯をいじり始めた。


所々、会社の先輩や桃花からのメールもあるけど‥ほとんどが聡からのものだった。
同棲を始めるまでのメールは1日に何十通もしていたのに‥最近のメールは‥


『あれ?』

見間違いだと思ったので、もう一度確認したけど答えは同じだった。


『私が返信しなくても毎日メールくれたのに‥クリスマスから今日まで1通もメール届いていない‥』

他のメールボックスを見たけど入っていなかった。


クリスマスって‥
清水さんって人が倒れて救急車で運ばれた日だよね?

聡‥これに関係しているとか?


私はしばらく考えた。






『愛~、お父さん呼んでるわよ』

お母さんの声で我に返った。


『今行く!!』

聡からの最後のメールを読まずに携帯を閉じてポケットに入れた。

私は階段を下りてお父さんが待っている居間に行った。

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