運命
聡‥

聡に今すぐ逢いたいよ‥今すぐ逢って強く抱きしめて欲しいよ‥


今まで私が辛い思いをした時、いつも傍で支えてくれたのは聡なんだよ。

聡が傍にいない日々は空っぽだった。ただ、時間だけが過ぎていくだけで何にも感じなかった。


意地張っててごめんね。私、頑固でごめんね‥



本当は凄く寂しかったんだ。
自分の事、何も話してくれなくて‥私なんて必要ないんじゃないかって怖くて。
私たち夫婦になるのに‥隠し事はナシにしようって約束したのに‥

でも、いつか言ってたよね?

話したくない時だってあるんじゃないかって。
話したくなったらその時は聞いてあげてって。


だから私は聡の傍で待つことにするよ。

聡が「俺を信じて」って言ってくれたから‥



心の中で叫びながら、私たちの家に向かった。


『鍵!!ねっ、鍵は何処?』

私はポケットの中を必死で探したけど鍵は何処にもなかった。



ドンドン

『聡いる?愛だよ!』


ドンドン ドンドン

『聡!!』


いくら扉を叩いても聡の返事はなかった。

『そうだ!携帯!!』


私はポケットに入っている携帯を取り出して聡に電話をした。


ん!?
耳を澄ませると、微かに部屋の中でメロディーが鳴っていた。



一か八か、ドアノブを回したら玄関の扉が開いた。


『聡!!』

私は叫びながら部屋の中に入った。
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