運命
昨日の夜とは裏腹に、元旦の朝の日の光が凄い眩しかった。


『あれ?愛、どうしてここに?』

聡が目を覚ました。


『明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。』


『今年もよろしくお願いします?』

聡はまだ、状況が飲み込めていなかった。


『あの、重いんで退いてくれませんか?』


『えっ!?じゃあ、ずっとこの体勢で?』


『そっ。動けなくて本当に大変だったんだから』


『ごめん。』


『いいよ。その代わり‥今日は、家と、聡の家の挨拶回りと‥それから‥清水さんのお墓に行こうね?』


聡は、昨日の夜の事を思い出した。

『愛‥』


『今年は、ずっと一緒にいようね。それから‥お互い隠し事はなし!!』


『分かった。今度こそ約束する』


『うん!!じゃあ、朝食作るから少し待ってて』



同棲を始めた頃の私たちに戻っていた。


この日は約束通り
愛と聡の実家にそれぞれ新年の挨拶をした後、清水さんのお墓参りに行った。

予想通り、お供え物はなかった。私たちは、清水さんの大好きだった花を活けて家に帰宅した。



三が日はお互い仕事が休みだったので、ゆっくり休んだり、気持ちの整理をつけていた。
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