運命
『愛、驚かせてごめん。愛がこのホテルの予約をした後、俺がこの演出を頼んだんだ。雪だるまも‥きっと好きだろうと思って(笑)』


『聡‥』

すると手にしていたモノの蓋を開け、中の指輪を私に見せた。

『きちんとした形で言った事ないから‥この場を借りてもう一度言います。
梅沢愛さん。俺と結婚してください』


このフロアには沢山の人がいるというのに、聡の真剣な目しか視界に入ってこなかった。

私は‥


『はい。これからもよろしくお願いします』

と返事をした。

聡は幸せそうに、ゆっくりと私の指に新しい指輪をはめてくれた。

『今日からはこっちにして』


すると今度は、フロアの照明が全部つきミュージックが流れた。私たちのテーブルにいた従業員はこの曲に合わせて踊ってくれた。食事をしていたお客さんも、クリスマスの日ではないのに、流れているクリスマスソングに合わせて手を叩いてくれた。


恥ずかしさなんて全然感じなかった。

私は凄く、凄く幸せだった。
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