運命
その後、私たちはゆっくりと食事をした。
あの「雪だるま」はシャーベットで作られていたので残さず食べた。食べているとき「何処まで食いじ張ってるんだよ(笑)」って聡に笑われたけど‥



『さて、お腹もいっぱいになった事だし、そろそろ部屋に戻って寝ますか?』


『そう‥だね‥』

この場から離れるのは、少し名残惜しい気もしたけど‥私たちは立ち上がり、従業員にお礼を言った後、部屋に向かった。

レストランからそんなに遠くないので歩いて行った。



部屋に入ると聡も知らない最後のサプライズがあった。


『これ‥』

机の上に置かれていた写真は、聡が私に指輪をはめてくれている所と、幸せそうに笑い合っている私たちだった。

写真の裏には「ご婚約おめでとうございます。いつまでもお幸せに」というメッセージと、今日の日付が書かれていた。



『来年も、ここにしよっか(笑)』


『そうだな』

私は写真を胸に当てて、レストランでの出来事を思い返していた。



そんな私の行動をしばらく見てから聡は、

『先にシャワー浴びていいか?』


『いいよ。』

私の返事を聞いた後、すぐに脱衣所に向かった。



『自分の行動が今になって恥ずかしくなってきたのかな?』

そう思うと、何だか聡が可愛く見えてきた。


『ありがとう、聡。』

写真の中の聡に向かってお礼を言った。





しばらくすると聡が出てきた。


『じゃあ、私もシャワー浴びよう』

そう言って脱衣所に向かい、鏡の前で鏡に映っている自分と見つめ合った。


『今夜‥何があっても後悔しないんだから‥』

自分自身に再確認をした。

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