運命
『さぁ~(笑)』


『さぁ~って!!でも、どうやって連絡取ったの?お正月に逢った時は、そんな素振り見せなかったのに‥』

私はいろいろ思い出していた。
お正月じゃないとすると‥?


『俺と愛のお父さん、前からメル友だったんだ』


『メル友!?ねぇ~ますます分からないよ‥』

私は最終手段「甘い声」で言った。


『そろそろ教えて。』


『わ、分かった。』

聡は観念したのか、今日の出来事を話してくれた。


『実は、今日逢ってた人が愛のお父さんなんだ。大事な話があるからって昨日連絡貰って‥だから、愛が家を出て行った後こっそり逢ってきたんだ。その時に、この特性の味を教えてもらって‥』


『本当にメル友だっ‥たんだ‥』

あんなに反対していたお父さんなのに‥
そういえば、同棲も急に認めてくれたよね?私に内緒で2人で逢ってたとか?その時に連絡先を交換したとしたら‥私が知らないわけだ。

なんとなく2人の間に何があったのか読めてきた。



『ってか、愛ずるい!!』


『何が!?』


『俺、愛のあの声に弱いこと知っててそういう声出すなんて』


『そうだったの?ごめんね(笑)』


『俺をこれ以上いじめるんだったら、ケーキあげないぞ~』


ケーキ?

『ごめんなさい‥もっと謝るからケーキ頂戴(笑)』


『本当に調子いいんだから‥ちょっと待ってて』

そう言って聡は席を立って台所に向かった。


イチゴケーキかな?

チョコレートケーキかな?


その頃私は、いろいろな味を想像していた。



『はい、これ』

聡が持ってきたのはドライアイスに包まれているケーキだった。
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