運命
『これって‥』

私が目にしたものは、ホテルのレストランで見た「雪だるま」にそっくりだった。


『明日が愛の誕生日で、俺たちの入籍日でもあるって事をシェフに伝えたら、今日贈ってくれたんだ。1日早いけど‥
愛、お誕生日おめでとう』


『あ、ありがとう‥本当に嬉しい。もう一度逢いたいって思ってたんだ』


『こいつに?』


『そう。この「雪だるま」に‥』



また逢えたね。
心の中で伝えると、うれし涙が流れてきた。

『泣くことないだろう。俺が泣かしたみたいじゃん』


『聡が泣かしたんだもん。』


『ちょ、ちょっと!!』

聡は急に慌てだした。


はははぁ〜。

私は泣きながら笑っていた。



『ねっ!!食べていい?』


『結局食べるのか‥』


『当然』


『はいはい』

聡はナイフを持ってきてくれた。


「今度はどんなサプライズが待っているんだろう?」私はわくわくしながら切り開いた。



『うわぁ〜ハートがいっぱい』


『おっ!!予想以上に凄いな』


『これ、聡が頼んだの?』


『ま〜な(笑)』

「雪だるま」の中から、ピンクや赤のハート型のチョコレートが詰まっていた。形や大きさが異なっているのをみると、手作りさが伝わってくる。

私はそれを、一つ一つを味わって食べた。
< 168 / 205 >

この作品をシェア

pagetop