運命
『あ~美味しかった。』


『愛‥一人で完食なんて‥』


『ん??』


『太るぞ(笑)』


『ひっどーい!!私、あと10分で誕生日なのに‥』


『おっ。本当だ』


『一緒にカウントダウンしてね』




私たちは、お気に入りのソファーに座り、星を見ながらカウントダウンを始めた。今日の星はいつも以上にいっぱい出ていて、私の誕生日を一緒に迎えたそうだった。


『あと何分?』


『あと1分。10秒前になったら、愛は目を瞑って』


『何で?』


『何でも』

何が起こるんだろう?
10秒前になった時、私は聡に言われるまま目を瞑った。


10・9・8・7‥‥‥‥0



!!!!!

私の唇が聡の唇と重なった。


聡は私の後ろに手を回してきたので、私は聡の首に手を回した。



長いキスだったから、だんだん苦しくなってきた。それに気づいてか、ようやく私を解放してくれた。


『お誕生日おめでとう、愛。これが俺からの誕生日プレゼント』


『聡‥』

私の呼吸は少し乱れていた。


『婚約指輪をあげて、目の前に婚姻届があって、一緒に住んでて‥あと、何をすれば愛は喜んでくれるのかな?って考えたとき、0時丁度のサプライズしか思いつかなくて』

聡は照れながら言った。


私は、呼吸を整えるので精一杯で返事ができなかった。

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