運命
『幸せになろうな‥愛』

そう言ってくれた聡の顔を見たとき、私は無言で立ち上がり部屋の電気を消した。


『愛‥??』

私は、星の光を頼りに聡の前に座って聡を見つめた。


『私ね‥‥欲しいものがあるんだ』


『欲しいもの?家とかは無理だぞ(笑)』


『聡が‥欲しいの‥』


『愛、それは‥』


『私たち今日、入籍するんだよ?お願い。私にプレゼントして?』


聡は少し戸惑っていた。
何も言わずに私を見つめてくる‥


『愛‥いいのか?』

私は頷いた。


『後悔‥しないか?』


『後悔なんて!!』

その時、聡と再び唇が重なった。今度はさっきよりも深く荒いキスだった。
私はすぐに苦しくなって聡の胸を叩いた。



『ご、ごめん!!俺、嬉しくてつい‥』


『‥大丈夫。大丈夫だから続けて‥』


今度は、私に合わせるように優しいキスをしてくれた。



『ベッドに‥行くか?』

私は頷いた。聡は私を抱きかかえてベッドまで運んでくれた。


< 170 / 205 >

この作品をシェア

pagetop