運命
次に目覚めたとき、隣にいるはずの聡の姿がなかった。


『あ‥きら?』

眠い目を擦り、台所に向かった。




『あれ?愛起きてたのか?』


『今起きたところ‥聡何してたの?』


『朝食の準備。これ食べたら「婚姻届」一緒に出しに行こうな』

そっか。
今日は1年記念日なんだ‥あっという間だったな~この1年。
私は聡との思い出を思い返していた。



『愛~。こっちに戻って来い!』

聡の声で現実に戻ってきた。


『あれ?私また違う世界に行ってた?』


『行ってた(笑)早く着替えて朝食食べるぞ』


『うん!!』

私は、洗面所に行き、少しだけ化粧をしてから着替えて台所に戻ってきた。その時にはもう、食卓に2人分の朝食が並べられていた。


『では、いただきます』


『いただきます』

私たちは静かに朝食を食べて始めた。






プルルー


プルルー


私の携帯の音が鳴った。


『今日の仕事は、午後からのはずだよ?』

私はブツブツ言いながら電話に出た。


『もしもし?』


『もしもし、梅沢?』

電話の相手は女の先輩からだった。
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