運命
『急に大きな声出さないでよ!一体どうしたの?』


『私さ‥大学時代振られ続けてたの覚えてる?』


『えっと‥10連敗してたんだっけ?』


『違う!!9連敗』


『大して変わらないじゃない。それがどうしたの?』


『最近分かったんだけどね、裏で動いてた人がいたんだよ‥それはね‥』



『『お父さん!!』』

2人の声が重なった。


『桃花どうして分かったの?』


『今の言い方だったら分かるよ(笑)』


『なんだ~驚かせようと思ったのに‥』

しょんぼりしていると桃花が聞いていた。


『お父さん、裏で何してたの?』


『それがね‥私の家の近くに呼び出して怒鳴ったり、相手の男の家の近くに呼び出して何人かで囲んだり‥』


『愛、もういい。お父さんの怖さが十分分かったから。それで、何が言いたいの?』


『だから~それが無かったら、私、9連敗なんてしなかったって事。意外とモテモテだったりして(笑)』

上機嫌にジュースを飲んでると‥


『でも、裏でお父さんが動いていなかったら、今の人生じゃなかったかもしれないんだよ?もしかしたら聡さんに逢わなかったかも。聡さんに出逢わなかったら、愛は一生独身生活だったと思うよ。

やっぱり最終的には、聡さんに逢えたのはお父さんのお陰なんだよ。9連敗してよかったね』


『そんな~‥』

私たちは見つめ合って笑った。



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