運命
『では、新しい席に移動してください。』

担任の先生が言った。


「えっと〜7番は‥おっ!!一番後ろの端じゃん。」


私は嬉しくてたまらなかった。

今朝観てきた「今日の占い」が久しぶりに当たった。




『よろしく』


誰かが言ってきた。

振り向くと‥



高橋聡!!


『あっ、こちらこそ』


この時が初めての会話だ。





その日から、私と高橋聡を含むテニス部メンバーは仲良くなった。


テニス部って言っても、県大会も既に終わっていて引退していた彼らは帰宅部と同じである。





席替えをした日の放課後‥

『今日、高橋の家でバンド練やるけど梅沢も来るか??』



初めてテニス部メンバーに誘われた。


『えっ、でも‥』

『何か予定でもあるのか!?』


私も、夏で大会が終わっていて特に予定はなかった。でも‥このままだと女は私1人になってしまう‥


『えっと‥』

私が躊躇していると、メンバーの一人が話し始めた。

『高橋が今、一番人気の曲を弾くって。梅、好きじゃなかったっけ?』


えっ!!

『行く!!行きます!!』


結果、私も行くことになった。
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