運命
『梅沢さ、中学のとき中曽根と仲良かっただろ?
よく中曽根が部活終わるのを待って一緒に帰宅してたじゃん。』


中曽根とは、私の小学校からの親友の子だ。
家が近いこともあって、毎日一緒に登下校していた。
彼女は中学の頃、女子テニス部に所属していた。



『うん、懐かしいな。今はあんまり会えないんだけどね‥

でも、よく知ってるじゃん。』



『梅沢って声でかいから(笑)』


『ちょっと!喧嘩売ってるの!?』


『悪い。』


申し訳なさそうな顔をするから売られた喧嘩を買わなかった。


『それで?』


『うん‥

お前らってさ、すぐに帰らないで少し世間話してから帰ってただろう?
その時にさ好きな曲とか、誕生日とか知ったんだ。』


『そうだったんだ‥練習サボってたのか(笑)』


『おい、そこじゃないだろう。』



『えっ?何が??』

何を言いたいのか分からなかった。




『はぁ~やっぱり言わないと分からないか‥梅沢って鈍感だって聞いてたけど‥』


『何?何が言いたいの!?』



『だから‥
普通さ、誕生日とか1回聞いたくらいじゃ覚えられないだろう。なのに何で覚えてたのかって‥

それはな、中学のときからお前の事が好きだったからだよ!!』


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