運命
『嘘‥だって、中学の時からって‥だってそんなの知らない!!
今、初めて聞いたもん。』


『ばーか。初めて伝えたんだから知らなくて当然(笑)
あっ、でも‥』


『でも何!!』


『バンドのメンバーとか、テニス部とか‥みんな気づいてけどな(笑)』


『え~知らなかったのって私だけなの?』


『梅沢は鈍感だからな』


『もう!!』


『本当はな‥』

高橋聡は、ゆっくりと話し始めた。

『本当は、中学最後の春休みに自分の気持ち伝えようと思ってたんだ。
俺ら高校違うから離れ離れになるだろう。その前にって‥
でも、あいつの気持ちも知ってたから‥』


中村智貴‥の事だよね‥

『それにな、あいつの後に気持ち伝えたらお前、混乱すると思って』


えっ!!
私の事を思って‥なの?




『えっと~』

『あっ!返事はいつでもいいんだ。今すぐじゃなくて。
ゆっくり時間をかけて考えて欲しいんだ!!できれば‥』


『できれば何??』


『将来の事も視野に入れて‥』




えっ!!!!
それって‥

『プロ‥ポーズ?』



高橋聡は後ろを向いてしまった。
でも、耳が真っ赤になっているのに気づいて、それが私にも感染した。
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