運命
『それで?話って何かしら』

お母さんは、私の話の内容が分かっているかの様な顔で私を見てくる。



『あの‥ね?』


『やっと愛の彼氏が見れるなんて、お母さん嬉しいわ。』

私が話を始める前にそう言った。


『な、なんで分かったの?私に彼氏が出来たこと‥まだ言ってなかったよね?』

お母さんは超能力者だと思った。

すると‥


『お母さんは超能力者だから(笑)』

なんて言ってきた。


私とお母さんは顔を見合わせて笑った。



『どうして分かったのか理由知りたいんだっけ?』


『えっ、うん。何で??』


『それはね‥』

私は唾を飲み込み、お母さんの最初の一言に注目した。


『あなたは仕事の愚痴を言わないから』


へっ??

『それ‥だけ??』

確かに、仕事の内容はプライバシーの事もあり家では話さなかった。


『そんなあなたがよ?急にまじめな顔して話があるの。なんて言えば大体の想像はつくわよ』

お母さんって何でもお見通しなんだ‥って、そんな風に思った。


『で、どちらの方?お母さんの知り合い??』

今度は私が質問攻めにあった。
お母さんは、興味津々って顔で私に近づいてきた。


『分かった!!最初から話すから』

私はお母さんを宥めてから話を始めた。



意見交換会で再会した事。
結婚を前提の付き合いである事。
今日は、付き合って1ヶ月になる事。

それから‥

記念日に合鍵を貰ったこと。


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