運命

手料理

明後日は2ヶ月記念日。


あれからの私たちは、週に1回のペースで逢っていた。世間でいう「デート」と言うもの。
彼の休みは不定期のため、なかなか休みが合わないので、遠くに旅行に行ったことがまだない。
私たちのデートはいつも映画館で過ごしたり、喫茶店でゆっくりする感じだった。

嫌な訳じゃない。


でも‥
たまには、遠くに出かけたり、違う場所にも行ってみたいなぁ〜なんて思っていた。
そんなある日、聡から思いもしない言葉を聞いた。




『愛〜、明後日って何の日か知ってる?』


『明後日?知ってるよ!!私たちが付き合って2ヶ月記念日でしょ?
それがどうしたの?』


『あのさ‥その日、休みとったから‥明日アパートに来て料理作ってくれないかな?』

電話からでも伝わってくる。
聡は今、凄く緊張しているって事が。


『それはつまり‥泊まるって事‥だよね‥?』


『イヤ、料理作ってくれるだけでいい。帰りは俺が家まで送るし。
それで次の日の朝、また愛の家に迎えに行く。』


『でも‥それだと聡が大変じゃん。』


『俺は、大丈夫だから。その代わり、おばさんの許可が下りないとダメなんだろ?
そっちは愛に任せるしかないから頼んだぞ!!』


『分かった。お母さんなら、きっと分かってくれるよ。
聡、何が食べたい??』


『へっ??』


『だから、明日の夕飯のメニューだよ。私は、遊びに行くわけじゃないんだから!!』


あ〜。
そう言って聡は笑った。

『そうだな〜。肉じゃが‥でも作ってもらおうかな(笑)』


『了解。私、料理だけは自信あるんだ!!』

私たちはその後も、いろいろな話をした。毎日電話やメールをしているのに、話は尽きなかった。

結局その日は、2時間くらい話し込んでいた。
< 50 / 205 >

この作品をシェア

pagetop