運命
『あ~‥』

照れ隠しからなのか、ソファーから降りて立ち上がった。


『1ヶ月、一人暮らししてみてさ‥やっぱ少し寂しくて‥愛と一緒に暮らしている所を想像してみたりとかしててさ(苦笑)そんなこと考えてると元気が出てくるんだ。
でも、まだ一緒に暮らす訳にはいかないから‥愛のご両親に挨拶に行って、許しが出たら一緒に見に行ってくれないかな?』


聡の目は真剣だった。だから私も足を正座に組み直して

『はい。そのときが来たら一緒に選びに行きましょう(笑)』

そう返事をした。


『さすがに食器くらいは、あった方がいいよな?お揃いの食器、早速明日見に行くか?』


『うん!!』

やったね。聡と久しぶりのデートだ。

私は嬉しくてソファーをトランポリン代わりにして飛び跳ねた。




『あとさ‥』

その言葉に、私はいったん飛び跳ねるのを止めた。

聡の顔が険しかったので、これから重要な話をするのかなと思った。でも‥


『やっぱ、この先は食事の後にするわ。お腹すいちゃった(笑)』

急に話をはぐらかした。



なんだろう‥?
聡の態度に疑問を抱きながらも、夕飯の準備に取り掛かった。
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