運命
家に着くなり、私はお母さんを部屋に呼んだ。
そして明日、聡のご両親に挨拶に行くことを告げた。


『そう。愛がね‥』

そういうお母さんの目は、少し涙が溜まっていた。


『ごめんね‥?』


『何言ってるの!!幸せなんでしょ?』


『うん。凄く幸せだよ』

私は、満面の笑みで微笑んだ。


『愛が幸せなら、お母さんも幸せよ。
明日は相手のご両親に対して、言葉遣いとか礼儀とか失礼の無いようにするのよ!!
愛は少し抜けている所があるから‥お母さんはそれだけが心配だわ』


『大丈夫だよ。隣には聡が付いていてくれるし(笑)』



『そう。なら安心だわ。
明日、相手の方に挨拶に行くって事は、家にも近いうちに来るって事かしら?』


『うん‥そうなるね‥』


『お父さんには、愛の口から先に言っときなさい。急に2人で挨拶に来たって話聞いてもらえないと思うわよ』


『分かってる。でも、まずは明日‥』


『そうね。まずは明日だったわ。
今日は疲れているでしょう?早く寝なさい』


『うん。そうする‥ごめんね、いつも部屋に呼び出したりして』


『いいわよ。じゃあ、おやすみ』


『おやすみなさい』

私は電気を消して目を瞑った。
でも、明日の事を考えると緊張してきて、すぐに寝ることが出来なかった。


明日の持ち物と着ていく服を用意して、もう一度ベッドの中に入った。
今度は安心してか、すぐに寝付くことが出来た。
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