運命
『何て切り出せばいいんだろう‥』

私はその場にしゃがみ込んで悩んでいた。


『そんな心配する事ないって(笑)』

この声は‥


『聡〜』

私は聡に抱きついた。


『どうした愛?そんなに不安だったのか?』

私は声には出さないで、首だけ横に振った。



『じゃあ、何か嫌な思いでもしたのか?』

また、首だけ横に振った。


『じゃあ‥』

そう言い掛けた時、私は聡から離れて笑顔で


『話は車の中でしよう。待ち合わせ時間に遅れちゃうよ』

そう言うと、聡も「そうだな」って笑顔で返してくれた。


私たちは、車に乗り込んで聡の家に向かった。
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