運命
『入籍は、1年記念日にしようと思ってるんだ。つまり、愛の24歳の誕生日。
それから、結婚式は3月21日。俺の24歳の誕生日だ。カレンダーで確認したら、両方「大安」だったから誰も反対はしないだろう。』


『‥‥』


『‥ごめんな。何の相談もしないで勝手に決めて。でも、親に話す前に愛の承諾を得てから話そうと思って。愛はどう思う?』


しばらく考えた。
言われたことを整理してから、私の意見を言った。


『いろいろ考えててくれたんだね。本当にありがとう。
結婚式に関しては、まだ何ともいえないけど‥入籍は1年記念日に出来たらいいなって私も同じこと思ってたから‥嬉しい。
でも‥』


少し強めの口調で話した。

『でも、これからは一緒に考えようね。一緒に相談して決めようね。』


私は聡の目を一度も逸らさずに、目で訴えた。
聡はそれを理解したのか、一度ゆっくり瞬きをしてから謝った。

『そうだな。俺、少し焦ってたのかも‥本当にごめんな。』


『ううん!!それから、私たちの間に隠し事はなし。これも約束して』


『約束する。』

私たちは、誓いの指切りをした。





『入籍する日が決まって、何か少しホットしたかも‥』


『それならよかった。実はもう、俺ん家に着いてたりして(笑)』


『えっ!?』

緊張が復活してきた。


『大丈夫!!俺の親、フレンドリーだから。』


『で、でも‥』



不安がる私の手を掴んで「大丈夫、俺がついてるから」そう言ってくれた。


私は「うん」と頷いて、2人で玄関の扉を開けた。







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