運命
そう。

あの意見交換会が私たちを再び逢わせてくれたのだ。


『あの日からよ。聡が毎日のように愛ちゃんの話をしだしたのは(笑)
たぶん、あの子は気がついていないと思うけど』

私たちは聡を見つめた。


すると、その視線に聡が気づいた。

『母さん、愛に余計なこと言ってないだろうな??』


少し強めの口調だった。

『言われて困るような事ってあったかしら?』


『それはない‥けど』


『なら問題はないじゃない』


『母さん‥』



聡のお母さんが小さい声で囁いた。

『この話の続きは、またにしましょうね。』


『はい。』

何だか本当の家族になれた様で嬉しかった。



『それより‥』

聡のお母さんがいきなり話題を切り替えた。


『あなた達、いつ結婚するのよ?』


私はハッとした。
聡もさっきまでの雰囲気が消え真剣な目つきに変わった。


『大事な話があるから、ここに座ってくれないかな?』


私たち4人は、最初に座った席に集合した。
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