運命
私と聡は足を崩さず座った。


『父さん、母さん。少し先の話になるんだけど、来年の愛の24歳の誕生日に籍を入れます。その日は、俺達にとって大事な日でもあって‥それだけは外せない。それに、カレンダーで確認したけど「大安」の日だったから、その辺は心配しないで。
住むところは、今俺が住んでいるアパートにします。
結婚式は‥』

聡が戸惑いだしたので、ここからは私が話した。


『結婚式は、聡の24歳の誕生日。つまり3月21日を予定しています。春分の日なので多くの方に出席していただけると考えています。』

『愛‥いいのか??』


私は、首を縦に振った。

『私の両親にも、今日報告します。』


『愛の両親にも、来月きちんと挨拶に伺ってきます。
納得してもらってから、一緒に暮らしたり式の準備を進めていこうと思ってます。』



少し間をおいてから

『俺、愛と結婚します』


『何かと至らない事もあるかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします』

私たちはそのままの体勢でお辞儀をした。



『聡、愛ちゃん‥』


『父さんは賛成だぞ。』


『お母さんだって。』


『父さん‥母さん‥』


『聡をよろしくお願いします。』

聡のご両親も深々とお辞儀をした。


『頭を上げてください!!こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします』


一斉に4人は顔を上げた。

全員と目が合い、笑い合った。




『じゃあ、俺達はこれからデートに行くから帰るわ』


『そうなの?愛ちゃん、いつでもいらっしゃいね。さっきの話の続きでもゆっくりしましょうね』


『はい。今日はありがとうございました。失礼いたします』


私たちは玄関の扉を開け車に乗った。
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