運命
『後は、俺から話すから心配するなって。
ね~私のさっきの言い方‥まずかったかな?』


『そんな事ないわよ。ただ‥急に「結婚する」なんて言うから困惑してたのよ。これからゆっくり説得して分かってもらうしかないわね』


『そう‥だね‥。ごめんね。お母さんにも心配ばかりかけて』


『そんなことないわよ。それより、愛もあんまり一人で抱え込まないで何かあったら聡君に相談するのよ?』


『うん。分かった‥あっ!聡がお母さんに宜しくだって』


『そう。お母さんも相手のご両親に挨拶しておかないといけないわね。』


『とっても優しいお母さんだったよ。お父さんも。私の事、快く迎えてくれて‥』

私は、聡が家に来たときのお父さんの反応を想像していた。
こんな風に出迎えてはくれない‥それはお母さんも同じだったのか、しばらく沈黙が続いた。先に話し出したのは、お母さんだった。


『明日も仕事でしょ?もう寝なさい』


『はぁーい。おやすみなさい』


『おやすみ』

お母さんは、部屋の電気を消して出て行った。





『今の私に出来ることは何だろう??』

なかなか寝付けなかったので、そんな事を考えていた。

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