運命
結婚とか、入籍とか‥そんなことばかり考えていたけど、私‥仕事続けていいんだよね?しばらく指輪を見つめていた。

帰ったら聡に電話して相談しよう。今は、仕事に集中!!
そう自分に言い聞かせて、再びパソコンに向かった。



仕事が終わり、聡にメールを送った。

「相談したいことがあるので、仕事終わったら連絡ください」と。


夜の8時に聡から電話がかかってきた。

『もしもし?』


『もしもし。今仕事終わったの?』


『おう。相談って何?』


『お疲れ様。えっとね‥仕事の事なんだけど‥』


『どしたぁ~?』


『うん。今日ね、ずっと指輪して仕事してたら会社の人に「結婚するのか?」って聞かれて、咄嗟にしません!!って言っちゃったんだ。そしたら「入ってすぐに寿退社はないよな」って笑いながら言ってたけど‥目は怖かったの。
それでね‥私、結婚するなら仕事辞めなきゃいけないのかな?なんて思ってさ。』


聡は、う~ん‥と言ったまま、しばらく黙り込んでいた。私も何を言ったらいいのか分からなかったので、聡の返事を待った。

『愛は‥愛はどうしたい?仕事続けたい?』


『私?うん‥出来れば続けたいな。やっとこの会社に慣れてきたし。
あっ、でも辞めろって言われたらそうするよ。』

答えは聡に任せた。


『俺は、愛が続けたいなら無理に辞めろなんて言わない。家事も分担してやればいいと思うし。』


『ありがとう。よかった‥実は今日ね仕事しながら、ずっと考えてたんだよね』


『そうなのか?ごめんな。そういう事も話し合っとけば良かったな。』


『ううん。もう解決したから大丈夫。』


『そっか。』


『あっ!!』

突然、大声で叫んでしまった。


『ねっ!次って何日に休み取れそう?』


『次は‥1日休みは記念日の日かな。そっか!愛のお父さんに挨拶に行かないとな。』


『うん。お父さん、当分忙しいみたいだから‥。その日、お父さんに空けておくように伝えとくから、聡も予定入れないでね!?』


『了解』

私たちは、その後も少し話をして電話を切った。
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